今回の演奏会は、シシリー出身のギタリスト、ダリオ・マカルーソとのデュオ。
使われたフォルテピアノは、フランスのエラールというメーカーの1805年製テーブルピアノである。
ペダルが4本あり、5オクターブ半の音域。
プログラムにはフランスものもあり、18世紀の通奏低音伴奏の作品にもわりとよかったので、私達のプログラムにはぴったりのものであった。
やはりオリジナルの楽器の音色は、楽器から漂う香りがある。ダリオもやはりオリジナルは味わいが良い、と気に入っている。ペダル2本は使えなかったがコンディションはまあまあ、でもタッチの調整はされていないようだった。
が、演奏会前日になり、雨の一日というお天気のせいか、調整の悪かった部分がさらにひどくなり、いくつかの音が出なくなってしまった。オーガナイザーに楽器の調整をお願いしたい、と頼んでおいたので、演奏会当日の朝、カリアリ市の楽器製作家、 Marco Carrerasさんが来てくれた。最初の日のリハーサルの時に、奇麗に調律されているなあ、と思っていたので、マルコさんは私の調整の希望をわかってくれるだろう、、と思っていた。そして念入りに丁寧につきあってくれて、楽器はずっと弾きやすくなった。カレーラスさんは、チェンバロも制作し、フォルテピアノもシュタインモデルを製作したそうである。
主に、弦からハンマーの跳ね上がる最高位置への距離がばらばらだったのが原因だったのだが、イギリス、ブロードウッドのテーブルピアノは18世紀のものでも、ねじがついていて、手で簡単に高さを変えることができたはずだった。でもエラールにはそのねじがなかったので、鍵盤の手前の方で固定してあるポイントに、薄い紙を入れたり出したりして調節した。
楽器調整中いくつかのイタリア語の単語を覚えた。。。
アルト(上に)、バッソ(下に)、ベーネ(良い)、ノン・ベーネ(良くない)、メイヨー(より良い)。。。
イタリア語はとってもメロディアスで、よどみなく流れるように聞こえる。
話せたらいいなあ、、、と強く思う。